MagicCon Amsterdamのプレビューパネルにて、今年最後の大型セット「リアリティ・フラクチャー」の詳細と、2027年に発売される新セット・新イベント情報が一挙に公開されました。
今回はその内容を、パネルで語られた順にまとめてご紹介します。
リアリティ・フラクチャーとは
「リアリティ・フラクチャー」は、かつての英雄ジェイスが自らの力を暴走させ、より良い世界を作ろうとした結果生まれた”エコーバース”を描くセットです。
ヘッド・デザイナーのマーク・ローズウォーター氏、ストーリー統括のロイ・グラハム氏の話によれば、このセットは「エルドレインの森」から続いてきたストーリーラインの締めくくりにあたるとのことです。
ジェイスは「悪と戦い続けても勝てない、悪自体を多元宇宙から消し去るしかない」という結論に至り、現実そのものを書き換えようとします。
ただしそのエコーバースは不安定なため、安定させるには現実の方を上書きする必要がある、というのが今回の物語の軸になっているようです。
ローウィンの5人が完全集結
今回の目玉のひとつが、マジック史上初めてカード化されたプレインズウォーカー、通称「ローウィンの5人」(ジェイス・チャンドラ・アジャニ・リリアナ・ガラク)が、初めて同じ物語の中で顔を合わせるという点です。
これまで5人がストーリー上で共演したことはなく、今回が完全新規のクロスオーバーとなります。エコーバースでは、それぞれのキャラクターが「もし〜だったら」という形で描かれているのが特徴です。
ジェイス
「ヴリンの神童」から「理論家」を名乗る存在に。4つ目の能力を持つプレインズウォーカーの元祖らしく、常在型能力でのドローや奥義でのカードアドバンテージが強力です。
アジャニ
白の「意志堅固なるアジャニ」(ライフゲイン軸)と、赤の「容赦なきアジャニ」(ダメージ軸)のペアで登場です。
チャンドラ
青の「遵守の冷気、チャンドラ」と赤の「チャンドラ、反抗の松明」。ライブラリーの一番上を参照する能力を共有しつつ、片方は衝動的ドロー、もう片方は諜報と役割が分かれています。
リリアナ
白の「過ち無き者、リリアナ」と、黒の「悔いし者、リリアナ」。
どちらもクリーチャーの戦場へ出たときを参照するが、片方はライフゲイン、片方は切削と効果が異なります。
ガラク
黒の「ヴェール被りの解体者、ガラク」と緑の「呪い破り、ガラク」。どちらも4/4のビーストトークンを作るが、アプローチが黒らしさ・緑らしさではっきり分かれています。
このほか、盗賊だった「チビボネ」が正反対の性格になった「デカボネ」も紹介されており、こちらは相手ではなく自分の墓地を参照する能力になっているようです。
ミラー・ペア(Echoverse)システム
今回のセットでは、すべてのプレイ・ブースターに「同じキャラクターの異なるバージョン」が必ずペアで収録されるという仕組みが採用されています。
片方が多元宇宙側、もう片方がエコーバース側のカードで、色は違っても「似ているけれど違う」動きをするようにデザインされているとのことです。
エコーバース側のカードには専用シンボルが付いており、これは「ストリクスヘイヴンの秘密」で一度登場したものと同じ仕組みとのことでした。

ヘックスヘイヴン|逆転版ストリクスヘイヴン
物語の舞台のひとつとして登場するのが「ヘックスヘイヴン」。
かつてのファンからの「ストリクスヘイヴンの同盟色バージョンが欲しい」という声に応える形で作られた、いわば裏ストリクスヘイヴンです。

各学院は元の色を1つ残しつつ、同盟色を新たに獲得する形で再構成されています。
・フェイトオールド(白青):歴史学院だが過去ではなく未来予測・問題の芽を摘むことに特化
・セオリクス(青黒):常識外れの数学、通称「ダークマス」を研究する学院
・スティンガークイル(黒赤):言葉を武器にする学院。ストリクスヘイヴン時代から続くアグロ寄りの立ち位置
・コンスタリ(赤緑):芸術的発想を建築や兵士など実用的なものに転用する学院
・ヴィゴーブルーム(緑白):「そもそも死なない」ことを目指す、侵略的な治癒の学院
※学院名は現時点での仮訳・意訳を含みますので、正式な日本語名とは異なる場合がある点はご了承ください。
各学院にはコモン・アンコモン帯で「準備済み」呼び出しの再利用可能なスペルが1枚ずつ用意されており、旧ストリクスヘイヴンのメカニズムを踏襲しつつ新しい切り口を加えている点が特徴です。
過去カードの”if”リメイク
キャラクターや舞台だけでなく、既存の名物カードを「もし別の色だったら」という切り口でアレンジしたカードも収録されます。
紹介されていたのは、黒の《闇の腹心》を白にアレンジした「光の腹心」。
ライフを支払ってドローする代わりに、ライフを得ることでドローにつなげる能力になっています。
また緑の《孔蹄のビヒモス》を赤・アーティファクト参照に変えた「孔爪の巨像」も紹介されており、こちらは”パペット”として登場していました。
カードの見た目や骨格は既存カードを踏襲しつつ、色や参照先を変えることで新しいデッキに入る形にアレンジされているのが今回のセットらしいポイントです。
さらに、鏡が割れて向こう側の多元宇宙バージョンが覗くという特殊なビジュアル処理「砕けし鏡像」仕様のカードも収録されるとのことでした。
Secret Lair Bundle
今回新たに試験的な取り組みとして紹介されたのが「シークレットレアー・バンドル」です。
Secret Lairストアおよび一部WPN店舗での取り扱いが予定されており、内容は以下の通りとのことです。
・コレクター・ブースター×2
・プレイ・ブースター×6
・ボーダーレス仕様の基本土地フォイル×20
・スピンダウンダイス
・特別なアート処理が施された神話レア2種のプロモパック(全10種からランダム)
2027年は「The Year of the Gathering」
続いて発表されたのが、2027年のセット・イベントラインナップです。
2027年は「The Year of the Gathering(集結の年)」と銘打たれ、MagicConの開催回数が年4回に拡大されることが明かされました。
またこれに先立ち、年内にはコマンダー専用に設計された「ミステリー・ブースター:コマンダー・エディション」がGenConやMagicCon、Festival in a Boxなどで展開される予定とのことです。

ミステリー・ブースター:コマンダー・エディション
こちらは20枚入りパックで、コマンダー用に新規デザインされたカードが59種類収録される、完全にコマンダードラフト向けのセットとのことです。
紹介されていたカードは以下の2種類。
・《Joven and Chandler》:ホームランド出身の赤5マナクリーチャー《Joven》と《Chandler》を合わせたカードが収録。他プレイヤーのアーティファクトを一時的に奪えるほか、速攻付きでアンタップされたり、墓地に置かれると強化されたりする能力を持ちます。

Joven and Chandler
アーティファク卜1つが戦場から墓地に置かれるたび、そのアーティファク卜のマナ総量に等しい数の+1/+1カウンターをこれに乗せる。
(赤)(赤)(赤)、(T):アーティファク卜1つを対象とし、ターン終了時までそれのコン卜ロ一ルを得る。それをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を得る。
・「Talabow,Loch Rascal」:4マナの可愛らしいカワウソ・クリーチャー。インスタントを唱えるたびにカワウソトークンを作る能力に加え、新メカニズム「Rulebrwaker」により、統率者の色の役割に含まれない色のインスタント・ソーサリー呪文や基本土地をデッキに入れられるようになります。
「ルールブレイカー」は統率者フォーマットパネルからの提案を受けて実装されたメカニズムとのことで、統率者プレイヤーからの意見が反映された形になっています。

Talabow,Loch Rascal
Rulebreakerー これが統率者であるデッキは、この統率者の固有色に含まれていない追加の色一色のインスタントカードやソーサリーカードや望む基本土地カードを含んでもよい。
あなたがインスタントやソーサリー呪文を唱えるたび、果敢を持つ1/1カワウソトークンを1体生成する。
プロツアー殿堂入りが復活
長らく求められていた「プロツアー殿堂」の復活も、今回のパネルで正式にアナウンスされました。詳細は日曜日のプロツアー配信(クォーターファイナル後)で追加発表される予定とのことです。

2027年第1弾|ノークティス:深淵の水府
2027年最初のセットとして発表されたのが「ノークティス:深淵の水府」。マジック史上初となる、完全に水中を舞台にした次元です。
・マーフォーク・シャークフォーク・スクィッドフォークなど、多様な水棲種族が共存する高水準ファンタジー世界
・人間はむしろ「よそ者」の立場として描かれる
・水中が舞台のため「飛行」を持たないメインセットとしてはほぼ初めての試みで、代わりに飛行の役割を担う新メカニズムが用意されている(詳細は今後発表予定)
・浅瀬・ケルプの森・深海・鯨の滝・骨の墓場など、5色それぞれに対応した多様な環境が用意されている
発売日は2027年2月5日。2027年最初のMagicCon(デトロイト開催)に合わせたリリースとなります。

2027年第2弾|神河:巨獣侵攻
2027年2セット目は、人気次元「神河」と「イコリア」が正面衝突する「神河:巨獣侵攻」。メカ vs モンスターという、これまでのマジックの中でも屈指のスケール感を持つ対立が描かれます。
・イコリア側のモンスターと眷者、神河側のメカ・パイロットが激突する構図
・スケール感を出すため、人間キャラクターを建物の屋上に配置するなど演出面でも工夫がされている
・単なる「メカとモンスターの合体」ではなく、両次元の住人
・魔法・キャラクターにとって何を意味するのかを丁寧に描く、というのが制作陣のこだわりとのこと
発売日は2027年6月4日。

2027年第3弾|ザルファー
2027年3セット目として発表されたのが、アフリカ文化をルーツにしたファンタジー世界を題材にした「ザルファー」です。
「神の力の均衡」以来、初めてザルファーが単独の次元として描かれるセットとのことです。
・かつてファイレクシア侵攻からテフェリーによって退避(フェイズアウト)していたザルファーが、ミラディンのあった場所にフェイズインして帰還
・アフリカ系文化・神話・美術様式などを踏まえ、アフリカ系SF・ファンタジー作家やアフリカ史の専門家など多数の監修者と協業して制作
・5つの太陽の光で満たされ夜のない「本土」と、祖先や精霊が眠る「精霊界」という、対照的な2つの世界観で構成
発売日は2027年10月1日。制作陣からは「これまで携わったマジックのセットの中でも、最も誇りに思える1本」というコメントもありました。

このほか、神河:巨獣侵攻の後、そしてザルファーの後にもそれぞれUniverses Beyondセットが投入される予定で、2027年は合計6つの大型セット(うちオリジナル次元3本、Universes Beyond3本)が発売されるとのことです。

2027年MagicCon開催情報まとめ
2027年はMagicConが年4回開催されることも発表されました。
・MagicCon デトロイト(北米):ノクティス発売に合わせて開催
・MagicCon 東京(アジア初開催):2027年5月14日〜16日
・MagicCon ラスベガス:2027年8月27日〜29日(神河:タイタン・ブリーチ後の2本目のUniverses Beyondセットから約1か月後)
・MagicCon アムステルダム:2027年12月3日〜5日
また競技イベントとして、リミテッド選手権が2027年6月18日〜20日にミネアポリスで開催されることも合わせて発表されています。
まとめ|2027年は本当に「集結の年」になりそう
今回のパネルでは、今年最後のセット「リアリティ・フラクチャー」でローウィンの5人が初めて一堂に会し、それぞれの”もしも”を描いた姿を見せてくれる一方、2027年には「水中次元」や「神河×イコリア」のクロスオーバー、アフリカ文化をルーツにしたファンタジー世界の「ザルファー」と、方向性の異なる3つの新世界が立て続けに発表されました。
MagicConも年4回体制になり、東京開催という国内ファンにとって嬉しいニュースも飛び込んできています。
ミステリー・ブースターやプロツアー殿堂の復活など、競技・コレクション両面でも動きが多い発表でした。
正式なカードの全容やメカニズムの詳細は今後のプレビューで明らかになっていくと思いますので、続報が入り次第また追ってまとめていきたいと思います。

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また本記事はWizards of the Coast公式のものではなく、完全に非公式のファン作成記事です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。









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