《苦悩の竜騎士、カイン》でEDHを遊んでみた話

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今回ご紹介するのは、黒単統率者《苦悩の竜騎士、カイン》を使ったEDHのデッキです。
このデッキはブラケット2くらいを想定して作成しました。
しかし、実際に使用してみたところ、「まぁブラケット2の中でも弱い方だな……」となったデッキです。
というか欠陥だらけの良くわからん紙束になった、とも言えるでしょう。
それでも回していてかなり楽しいデッキになったので、反省も含めて構築の紹介したいと思います。

まず、カインの能力を簡単におさらいすると、
・飛行(ただし自ターン中だけ)
・プレイヤーに戦闘ダメージを与えるとそのプレイヤーにコントロールが移る
・その点数分ドロー+宝物生成+ライフロス(カインで殴ったプレイヤーが)
というものです。
簡単に言えば、「ドローと宝物をチラつかせて敵陣に寝返る系」クリーチャーですね。
まさに裏切りの体現。

目次

構築コンセプト「裏切らせてナンボ」

この能力を見て、どういうデッキにしようかなと考えました。
まず思ったのは、「対戦相手の場でカインが停止したら最悪だな」ということ。
攻撃される→奪われる→何もせず棒立ち、では面白さが半減します。
次に警戒したのは、「カインが対戦相手同士の間をぐるぐる回って、自分には一切戻ってこない」パターン。
それはそれで面白そうではあるが、やや虚無感もあります。
やはりカインは「裏切らせてナンボ」のクリーチャーです。
よって今回デッキ作成のコンセプトは、
「裏切りは前提。だが、自分のもとに帰ってくる回数を最大化し、アドバンテージを爆発させよ」

この方針のもと、構築がスタートしました。

■アプローチ①:イニシアチブと統治者で「カイン停滞問題」を回避

まず採用したのは「イニシアチブ」や「統治者」を得るカードたち。


第一に避けたい状況は対戦相手のコントロールしているカインが攻撃せず沈黙してしまうことです。
その状況を打破するため、「攻撃すれば得する」仕組みを盤面に置いておきます。
しかも自分がイニシアチブや統治者を得ていれば、「おい、カインで俺を殴れ」と、対戦相手に圧をかけられます。攻撃の矛先が自分に向きやすくなるのです。
というわけで、イニシアチブや統治者と書いてあるカードはすべて採用します。


中には「こんなの使ってる人見たことないぞ」と言われそうなカードもありますが、今回はブラケット2を想定していますので、カードの選定に単体のカードパワーの弱さは考慮しません。
むしろ誰も使っていないオタクカードをプレイしてドヤれる、いい機会です。

このアプローチはかなりうまく機能しました。
目論見通りにカインはよく動き、自分の手元に戻ってくる頻度も高かったです。
「イニシアチブ」によるダンジョン踏破も現実的に狙える範疇です。

採用しなかったカード:「強そうだけど逆効果」なやつら

《オークの弓使い》《這い回る落書き》《黙示録、シェオルドレッド》――いずれも「ドローにダメージ」を与える優秀なカードたちです。


一見、カインの「ドローさせる」能力と組み合わせれば爆発力が増すように思えます。
が、今回は見送り。
対戦相手が「カインで殴ると痛い」と思った瞬間、攻撃が止まり、カインは敵陣で棒立ちすることになります。
結果、こちらのプランが崩壊する。
たとえそれらがカード単体として強くても、「今回のコンセプトには合わない」と判断しました。
実際にカインと組み合わせて回してみたわけではないので、現実にどうなるかはわかりませんが、今回は不採用にしました。

■ アプローチ②:強制攻撃カードで「動かないカイン」を動かす

「それでもカインを動かさないプレイヤーがいたら?」という想定もしました。
そのため、カインを強制的に攻撃させることができるカードを採用します。

《荒れ狂うインプ》と同じ能力を持つクリーチャーが何体かいます。
《荒れ狂うインプ》系のカードたちは初めて存在を知りましたが、カインと合わせなくても普通に面白い能力を持っており、特にシステムクリーチャーにはぶっ刺さります。

……しかし、結論から言えば、あまり機能しませんでした。
正直、そんなカードを使わずとも、対戦相手は勝手にカインで殴ってくれます。2ドローと宝物2個は、それほど魅力的なのです。
よってインプ系のカードは最低限ブロッカーになるのでともかく、その他の攻撃強制系のカードは手札で腐っていたことが多く、次回の改造で真っ先に切る候補になるでしょう。
お疲れ様でした!

■ アプローチ③:アンブロ化でカインを通す

カインの攻撃がブロックされると、能力が誘発しません。
よって「ブロックされにくくする」カード群もいくつか採用しました。
その中でも面白かったのは《犯罪者》です。

《犯罪者》などの背景カードは「あなたがオーナーである、統率者であるすべてのクリーチャー」に効果を付与することが出来るので、カインのコントロールが対戦相手に移ってもカインのオーナーは自分である以上、《犯罪者》の効果は対戦相手に移ってもカインに乗ります。
このシナジーを見つけたときは少し嬉しくなりましたね。
飛行に加えて威迫を付与すれば、まぁ大体アンブロでしょう。

このアプローチはどうだったかというと、「まぁアンブロつけなくてもカインは動く」という印象です。
結局、対戦相手は攻撃さえ通ればいいので、空いているプレイヤーに突っ込めばそれで済みます。
むしろ、こっちがわざとブロッカーを立てずに「来いよ」と言っている状況が多いので、アンブロは「あってもなくても」な感じでした。
お疲れ様でした!

その他のサポーターたち

あとは適当に相性が良さげなカードを入れていきました。
取り急ぎ、せっかく用意した「イニシアチブ」や「統治者」がカイン以外のクリーチャーに攻撃されて奪われてしまうのは癪なので、地上を固めるクリーチャーを採用します。
使ってて面白かったのは《騒然の呪い》。

この呪いを自分にエンチャントするとどうなるか。
・こちらを攻撃した対戦相手にゾンビをプレゼント
・攻撃されたこちら側にも地上のブロッカーになるゾンビを生成
つまりカインによる攻撃の矛先を自分に向ける役割と、カイン以外のクリーチャーのブロッカーを生成する役割の2役をこなしてくれるわけです。
もちろん場合よっては対戦相手にエンチャントしても有効に機能します。

他にも、「なんか使ったら面白そう」と思ったカードを多く採用しました。全体的に構築の緩さがにじみ出ています。こうした構築の緩さを楽しめるのも、ブラケット2の良さだと思います。

■ そして浮き彫りになった誤算たち

これまでの考えを元に、あとは色々マナファクトとかいれてデッキ完成です!
勝てるかはわからんけど、絶対面白いデッキ出来た!と思い実際に遊んでみました。

が、悲しいことに筆者の構築レベルが低く、致命的な問題が見つかります。

「想像以上に、自分のライフが減るのが早い」

なぜか。
カインで殴って、ドローして、宝物得て、ライフを失って、対戦相手のカインから殴られて――を繰り返していると、自分のライフが気づけばごっそりなくなっています。
盤面ではまだ何も始まっていないのに、自分だけゲーム終盤の顔をしている、そんな感じです。


さらにもう一つの問題は「手札が多くても弱いカードばかり」という現象。
前述のとおり、アンブロ付与系や攻撃強制系のカードは基本何もしなかったので、「たくさん引いてるのに動きが弱い」状態になります。
加えて土地を大量に引いたら最悪。
青い顔しながら残り少ないライフに目をつぶってカインで殴る筆者がそこにはいました。

カインデッキを改造するなら、まずはライフ管理に目を向けるべきでしょう。

終わりに

今回作成したデッキはブラケット2を想定して作成をしました。
コンセプトは「裏切りは前提。だが、自分のもとに帰ってくる回数を最大化し、アドバンテージを爆発させよ」ですが、概ね目的は達成しており、プレイしていて楽しかったので結構満足しているところではあります。
ブラケット2において、勝利を目指すことはオマケ程度でもいいと思っています。
どちらにせよ、勝率は4人対戦なら25%なのですから、勝てない残りの75%の中で自分がどれだけ楽しめるかの方が重要とも言えます。

しかし、さすがに勝手にただ自滅しているプレイヤーがいるのは、下手をすればただの卓の「荒らし」です。
最低限、勝利を目指せる構築にし、「ゲームに参加」はするべきでは?という気もします。
弱すぎても、対戦している相手は手ごたえなさ過ぎて楽しくないでしょう。

これからこのデッキの問題点を改善すべく、どうアプローチしていくか。
これを考える時間こそがマジックの最大の楽しみの一つですし、事実、筆者はこれから改造にどんなカードを採用するかワクワクしています。

みなさんなら《苦悩の竜騎士、カイン》をどう使いますか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。

良いマジックライフを!

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